コード進行はT・SD・Dの3つの組み合わせに収束するよって話

アイキャッチ:T・SD・D コード
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コード進行で迷っていますか? 私は常に迷っています(笑顔)

しかしながら本来、コードはわずか12種類の音からいくつかを組み合わせたシンプルなものです。また、コード進行の作り方にも基本のやり方がありますので、少し掘り下げていきましょう。

※ここでは「Cメジャースケール」を基準に話を進めていきますので、ご了承ください。

ところでT・SD・Dって何?

基本はトニック(T)・サブドミナント(SD)・ドミナント(D)の3種類

コードはディミニッシュ(以下:dim)やオーギュメント(aug)、sus4など特殊なものを除くと、トニック(以下:「T」)サブドミナント(以下:「SD」)ドミナント(以下:「D」)の3種類に分類できます。

例としてCメジャーキーのダイアトニックコード(白鍵で押さえられる3和音)で表すと、「T」=C「SD」=F「D」=Gとなります。また、同等の機能を持つ代理コードとして「T」=Am「SD」=Dmとすることができます。

Emについてはコード進行の仕方により「T」と「D」の両方の機能を持ちます。またdimに近い働きをもつBm-5については今回の記事からは除外します。

コード進行はT・SD・Dの3つの組み合わせに収束するよって話

トニック(T)は着地して安定している

「T」はキーの主音のコードであり、非常に安定した響きを持っています。多くの楽曲で、コード進行は「T」に着地して終止します。

コード進行はT・SD・Dの3つの組み合わせに収束するよって話

サブドミナント(SD)・ドミナント(D)は早く着地したい

「SD」と「D」は不安定なコードであり、「SD」や「D」で終止すると非常に「落ち着かない」響きとなります。特に「D」は強烈な不安定さで、必ず次は「T」に着地したいという性質を持っています。

「D」ほど強烈な不安定さのない「SD」は、次に「T」と「D」のどちらにも進行することができます。

実際のコードパターン

トニック(T)で始まるパターン例

「T」始まりは強い調性(キー)を感じさせるコード進行で、安定感や力強さがあります。

例①:T → SD → (T)

  • C → F → (C)
  • Am → F → (C)

例②:T → D → (T)

  • C → G → (C)
  • C → G → (Am)

例③:T → SD → D → T

  • C → F → G → C
  • Am → F → G → C(小室進行

例④:T → D → T → SD → (T)

  • C → G → Am → F → (C)
  • Am → G → C → F → (Am)

例⑤:T → T → SD → D → (T)

  • C → Am → F → G → (C)
  • C → Em → F → G → (C)

例⑥:T → D → SD → D → (T) ※

  • C → G → F → G → (C)
  • Am → G → F → G → (Am)

※注:通常「D」から「SD」への進行は、クラシックなどの理論書では禁則とされている場合が多いですが、カントリーやロック・ポップスなどのポピュラー音楽では高い頻度で用いられています。

サブドミナント(SD)で始まるパターン例

「SD」始まりは浮遊感を持った進行となり、「T」始まりほどの強い調性(キー)を感じさせないので、いわゆる「切ない系」の楽曲で数多く用いられます。

例①:SD → D → (T)

  • F → G → (C)
  • Dm → G → (G)

例②:SD → D → T → T

  • F → G → C → Am
  • F → G → Am → C(「F → E → Am → C」と変形すると「丸サ進行」※)

例③:SD → T → D → T

  • F → C → G → C
  • F → C → G → Am

例④:SD → T → SD → T

  • F → Em → Dm → C
  • Dm → Am → F → C

例⑤:SD → D → D → T

  • F → G → Em → Am(王道進行
  • Dm → G → Em → Am

※「丸サ進行」についての詳細はこちらの記事で詳しく紹介しています。

ドミナント(D)で始まるパターン例

「D」から始まるパターンの楽曲は前項2つに比べると多くありませんが、「強烈な不安定感」から始まるコード進行は、使い方によっては面白い効果を生み出します。

例①:D → T → SD → T

  • G → C → F → C
  • G → Am → F → C
  • Em → Am → F → C

例②:D → SD → T → T ※

  • G → F → C → C

例③:D → T → D → T

  • G → C → G → C
  • G → C → Em → Am

※注:通常「D」から「SD」への進行は、クラシックなどの理論書では禁則とされている場合が多いですが、カントリーやロック・ポップスなどのポピュラー音楽では高い頻度で用いられています。

最後に

曲作りで悩みがちなコード進行ですが、分解してみると意外とシンプルではないでしょうか。今回は3和音に限定してみましたが、ここから4和音やテンションなどを加えていくと、より表現の幅が広がっていきます。

もちろんここに挙げていないコード進行もまだまだ数多ありますが、ここまで参考になれば幸いです。ちなみに「登り棒に登った棒人間の絵」、ちょっと可愛くないですか?

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